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ストラヴィンスキー 春の祭典のエンディング [クラシックCD]

先のブログでストラヴィンスキー『春の祭典』100周年記念のCBSとRCAレーベルによるソニーのボックスセットをご紹介しました。


100th Anniversary of Le Sacre Du Printemps

100th Anniversary of Le Sacre Du Printemps

  • アーティスト:
  • 出版社/メーカー: Masterworks
  • 発売日: 2013/04/02
  • メディア: CD


その中でも触れていましたが、この曲全曲のエンディング、フィナーレ「生贄の踊り」のラストにティンパニと大太鼓以外の打楽器パートが追加されている版があります。この曲は何度も作曲者自身が改訂を重ねた結果、後年の全ての版では追加打楽器パートは削除されているので、現在のほとんどの演奏は追加打楽器のないヴァージョンを採用しています。追加打楽器のあるヴァージョンを採用しているのは、このセットの中では全10種中、ステレオ録音ではバーンスタイン~ロンドン響、デジタル録音ではティルソン・トーマス~サンフランシスコ響盤のみです。

セット中の歴史的録音では1940年録音の作曲者自演盤、51年録音のモントゥー~ボストン響盤が追加打楽器入りヴァージョンを採用しています。なお、60年録音の作曲者の自演盤(本セットに収録)、56年録音のモントゥー~パリ音楽院管のステレオによる再録音(現在はデッカレーベル)では追加打楽器が削除された版を採用しています。

ラストに追加打楽器が入る版は非常に効果的なので、個人的な好みでは入らない後年の版よりもこちらが気に入っています。当初はこれは指揮者の判断による追加なのかと思っていたほどです。

この曲では古代シンバルとトライアングル、打ち合わせシンバルやギロのように全曲中1回しか登場しない打楽器パートがあります。また、第二部の「選ばれた乙女への賛美」に初めて登場し、フィナーレの「生贄の踊り」にも使われているタムタムをトライアングルの撥で打つスリ打ちはストラヴィンスキーならではのオリジナルかと思われますが、それが非常に効果的です。エンディングの追加の一打もこのタムタムのスリ打ちかと思っていました。ところがスコアの指定はここはシンバルのスリ打ちらしく、それもラストとその直前の2回打たれる版があるそうです。このセット中では、バーンスタイン、ティルソン・トーマス盤はエンディンの1回のみですが、作曲者自演盤とモントゥー盤は2回聴こえます。おまけに前後2回のシンバルのスリ打ちの間にギロの一打が入る版もあるそうです。

この曲のそれぞれの改訂版による細部のオーケストレーションの違いについては下記のホームページが参考になります。

http://www.k4.dion.ne.jp/~jetter/cd/rite_edition.htm

本セット中ではありませんが、アンセルメ~スイスロマンド管による57年のステレオ録音盤でもフィナーレの追加打楽器は2回聴こえますが、そこでの1回目ははっきりシンバルのスリ打ちと覚しき音が聴こえます。

ハルサイを長年聴き続けてきた者としても、エンディングの追加打楽器はシンバルのスリ打ちらしいというのは初めて知りました。私の手元にあるスコアは追加打楽器が削除されている47年版を基にした67年のブージーアンドホークス版なので、それ以前の改訂版のスコアは入手し難く、実際の確認はできません。ウ~ン、それにしてもハルサイは何度聴いても奥が深い!!


『春の祭典』初演100年記念ボックス(10CD)
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