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シェリング、ヘブラーのモーツァルト ヴァイオリン・ソナタ [クラシックCD]

先のブログでシェリングとヘブラーによるモーツァルトのヴァイオリン・ソナタについて書きましたが、この度その全集の第2集に続き第1集の方を購入し、聴いてみました。

この全集は未完の第37番から第39番までの3曲を除く、通し番号で第24番から第43番までの実質的にはモーツァルトのヴァイオリン・ソナタの全てと言ってもいい17曲が収められています。モーツァルトはさらに2曲のヴァイオリンとピアノのための変奏曲を書いていますが、その2曲もこの全集に含まれています。

MVS2.jpg全17曲は番号順に収められているので、第1集には第24番ハ長調、第25番ト長調、第28番ホ短調、第32番ヘ長調のような魅力的な曲が含まれています。

先のブログにも書いた通り、個人的にはシェリングのヴァイオリンによるモーツァルトは厳しすぎるところが、微笑みに欠けるようで、少々近寄りがたさを感じてしまいます。一方、ピアノのヘブラーはモーツァルトを弾くために生まれてきたかのような常にチャーミングなモーツァルトを聴かせてくれます。

先に聴いた第2集でシェリングのモーツァルトを見直したので、今回あらためて第1集でシェリングのモーツァルトをたっぷりと聴いてみました。こうして久しぶりにシェリングを聴いてみると、やはりその音の美しさに感嘆させられます。ただ、シェリングはその美音に溺れるところがないので、私としては、もう少しその美音に耽溺してくれればと思ってしまいます。ピシっと背筋の通ったシェリングのモーツァルトには、無い物ねだりで、もう少し危ない美しさが欲しくなってしまうのです。

今回あらためて聴いてみて、ヘブラーのピアノはやはりチャーミングです。何でもない合いの手ですら、ヘブラーにかかると、こぼれるようなモーツァルトのチャームがまき散らされます。

このデュオはベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタの全曲も録音していますが、その録音に際しては、むしろヘブラーの方が表情が強いので、シェリングの方が合わせるのに苦労したということが伝えられています。けれども、このモーツァルトでは剛のシェリングに対して柔のヘブラーが見事にコントラストしています。

モーツァルトのヴァイオリン・ソナタは元来ヴァイオリンの助奏付きのピアノ・ソナタであると言われています。そうであれば、チャーミングなヘブラーのピアノに対して、シェリングのヴァイオリンは余分な表情を付け加えることなく、しかも音が極上にきれいということであれば、これは理想的なヴァイオリンパートの役割を果たしていると言えるかもしれません。





ヴァイオリン・ソナタ集Vol.1 シェリング(vn)、ヘブラー(p) icon
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