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ゲルギエフのくるみ割り人形 [クラシックCD]

クリスマスの一晩の幻想的な出来事を描いたチャイコフスキーのバレエ音楽『くるみ割り人形』(原作はE.T.A.ホフマン)は、この時節になるとコンサートやバレエ公演でよく取り上げられるようになります。ゲルギエフの指揮によるこの一枚のCDは、もう10年も前に初発売されたものですが、今でもCDショップの店頭に並んでいる、息の長い名盤といえるでしょう。今年もクリスマスということで、何故か懐かしくなり取り出して聴いてみました。

くるみ割り人形は全曲から抜粋された組曲の方が演奏される回数が多く、バレエの全曲を音だけでつきあうのは少し辛抱がいるかもしれません。バレエの全曲は音楽のみだと約90分ぐらいなので、バレエ全曲としては短い方の部類に入ります。ゲルギエフのこの全曲盤のCDは、少し速めのテンポを取っているせいか、全曲が81分3秒ほどで収まっています。そして驚くべきことに、何とこの全曲が一枚のCDに入ってしまっています。今ではクラシックでは一枚で80分を超えるCDも珍しくありませんが、10年前当時では、これは一枚に入っているCDのギネス記録ものの最長収録時間だったかもしれません。

しかし、このCDに驚かされるのはその収録時間の長さだけではありません。デジパックのアルバム仕様の美しい装丁のジャケットです。残念ながら、この装丁は輸入盤だけで、国内盤は通常のプラケース仕様のようです。

ジャケットの表紙はゼンマイ仕掛けでボールを転がす可愛らしい犬のオモチャです。これは曲の内容に因んで、子供たちに贈られるクリスマスプレゼントのイメージの一つとして選ばれたデザインと思われます。



表紙を開くと、そのボールのアップがデザインされています。



さらに開くと中央に本体のCD、右に解説書のリーフレットが収納されています。本体のCDは、表紙と同じオモチャでデザインされたピクチャーCDになっていて、凝ったところを見せています。



というわけで、今でも入手できるこのCDはクリスマスプレゼントには格好のものかと思われますが、バレエの全曲というのは、クラシックが苦手な人にはツライかもしれません。組曲で有名な『金平糖の踊り』や『花のワルツ』だけではなく、可愛らしい児童合唱が入る『雪片のワルツ』やチョコレートの精が踊る『スペインの踊り』、そして『グラン・パ・ドゥ・ドゥー』といった曲が聴けるのは全曲盤ならではのメリットです。速めのテンポでキリリと進めたゲルギエフの棒も、決して即物的なものではなく、このテンポでこんなにもファンタジーを感じさせるところが驚異的です。


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