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SHM-CDの音質改善効果 [クラシックCD]

ミュンシュ~ボストンの幻想のXRCD+SHM盤に驚いたついでに、これがSHM-CDだというサンプラー盤を聴いてみました。この盤は同じ曲の同じマスター音源がSHM盤とレギュラー盤それぞれ1枚ずつに収録されたもので、両者の相違が聴き比べられるようになっています。通常、この手の聴き比べ盤は同じCDに比べる音源が連続して入っていますが、このサンプラー盤はそれぞれが別のCDに分かれて入っているために、盤を替えて聴き比べなければならないのが若干不便ですが、その分収録曲が多いというメリットがあるわけです。

shm1A.jpgこれがSHM-CDだ!クラシックで聴き比べる体験サンプラー
  • アーティスト: オムニバス(クラシック),バーンスタイン(レナード),ヨッフム(オイゲン),クライバー(カルロス),カラヤン(ヘルベルト・フォン),小澤征爾,ショルティ(サー・ゲオルグ),デュトワ(シャルル),ベーム(カール),リヒター(カール),ギレリス(エミール)
  • 出版社/メーカー: UNIVERSAL CLASSICS(P)(M)
  • 発売日: 2008/09/03
  • メディア: CD

この聴き比べ盤では、全く同じマスター音源、つまり全く同じデジタルデータが、通常のポリカーボネート素材とSHMという特殊なポリカーボネート素材という異なるディスク素材に記録されています。データ自体は全く同一のデータのわけですから、それが記録されている素材の違いだけで、果たして音は変わって聴こえるのでしょうか。ちなみに、通常盤もSHM盤も同じデータなので、パソコンからブランクCDにコピーした場合、両者は全く同じコピーCDになってしまうのか、はたまた、パソコンがデータを読みとる上で異なったデータとして読みこむのであれば、また異なるコピーCDができるのでしょうか?

この比較サンプラー盤はクラシック篇のほか、ジャズ篇、ロック篇も出ています。今回はクラシック篇のほかジャズ篇も視聴してみました。

shm2A.jpgこれがSHM-CDだ!ジャズで聴き比べる体験サンプラー
  • アーティスト: キャノンボール・アダレイ,ケニー・バレル,ビル・エヴァンス・トリオ,ジョン・コルトレーン,スタン・ゲッツ&ジョアン・ジルベルト,オスカー・ピーターソン・トリオ,ジョン・コルトレーン&ジョニー・ハートマン,ウェス・モンゴメリー
  • 出版社/メーカー: UNIVERSAL MUSIC K.K(P)(M)
  • 発売日: 2008/09/03
  • メディア: CD

視聴の結果は、日頃はあまり聴くことのないジャズで聴いてみても、私の装置で聴く限り、見事に違いました。もちろん、SHM盤の方が圧倒的に優れています。だからこそ敢えてこんな比較CDも出てきたのでしょう。実はこのクラシック篇サンプラーに収録されている曲の中で既にSHM盤で買い直したものも含まれていました。けれども、改めて比較して聴いてみると、その違いの大きさにはびっくりさせられました。

あまりに違うので、逆に考えさせられてしまいました。というのは、確かに聴き比べると劇的に違うのですが、通常CDを聴く場合、こういう比較をしながら聴くということがあるのでしょうか。その折りに購入した盤を、その1枚の範囲内で音がいいか、否かを判断しているわけです。ですから最初からSHM盤で出ていれば、レギュラー盤との違いうんぬんは問題にできないはずです。

現在リマスター技術もどんどん進歩しており、同じ音源の新しいリマスター盤を買い直すと劇的に良くなっているものが多々あります。ただ、この場合もSHM盤と同じ問題で、はじめからそのリマスターで聴いていたらどうなのかということになります。

けれどもそうした疑問を承知の上で、お気に入りの演奏のCDがリマスターによりさらにより良い音で聴けるようになるというのは、かけがえのない楽しみの一つだと認めざるをえません。リマスター盤を購入するなら、同じ曲でも違う演奏の盤を購入した方がレパートリーが広がっていいという意見もありますが、初めて聞く演奏に失望させられるよりも、お気に入りの演奏をより良い音で聴けるようになる幸せの方が満足感が大きいのではないでしょうか。

音楽を楽しむ上では演奏さえ良ければ、音質は問題にならないという意見もあります。けれどもCDで音楽を楽しむということは、生とは異なり、残念ながら電気的な操作を経て製作された音を楽しんでいることになります。電気的に作られた商品である以上、CDという商品では、その商品価値としては製作された音質がいいか悪いかが問題になってきます。ですから満足のいく音質を備えた商品としてのCDに巡り会えるということは幸せなことです。

なお、このサンプラーCDはクラシック篇では各曲とも全曲あるいは楽章の場合も部分ではなく、その楽章の全てが収録されています。ジャズ篇も同じように収録曲はそれぞれの曲の全てが収められています。日頃あまり馴染みのないジャズですが、こういう編集だとオムニバスのコンピレーション盤としても楽しめたということを付け加えておきたいと思います。
タグ:クラシック
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